包括遺贈の放棄
- 2019年5月27日
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先日、包括遺贈の放棄についての相談がありました。 相続についての相談は、相談内容としてとても多いのですが、包括遺贈の放棄については初めてのことでした。
ちなみに包括遺贈とは、「遺言者のすべての財産をAに遺贈する」や「遺言者のすべての財産のうち2分の1をAに遺贈する」といったように、遺言者の財産を包括的に遺贈することです。
これに対して特定遺贈とは、「岸和田市上野町東〇〇番の土地をAに遺贈する」「現金100万円をAに遺贈する」といったように、財産を特定して遺贈することです。
そして放棄の方法についても包括遺贈と特定遺贈では手続が異なります。
特定遺贈の場合は、特に方式の定めはなく、相続人又は遺言執行者に対して遺贈を放棄する旨の意思表示をすれば足ります。
これに対して包括遺贈の場合は、相続の放棄・承認に関する規定が適用されることから(民法第990条)、家庭裁判所に放棄する旨の申述をする必要があります。
ということで、さっそく包括遺贈放棄申述書の作成にとりかかり、無事に家庭裁判所に提出することができました。
まだまだ知らないことも多く、日々勉強の毎日です。
民法第990条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。